デストロイヤーT+

☆表現法の一つ

夕飯の後、母が幾分興奮した面持ちで語りだした

聞くと、空は一面真っ白で―まぁ、曇りだったけど―
「長さ10mくらいのトンネルを抜けたらパラレル西遊記だったの!」


「・・・へ?」


パラレル西遊記
え?何?何のこと?ハテナマークが乱舞する私

「あの、アクマが出てきて…」

「・・・!」

あーあーあー・・・わかった。意味が。わかる自分が嫌になるw
あれだ。悪魔じゃなくて妖怪ね、と先に言って、



ヒーローマシン出したドラえもん。ふと窓の外を見て戦慄する…


っつーシーンだったっけ。なるほどねー、真っ黒で不穏って言葉が似合う空。
次の日の空なんかまさにそう
ただね

「わかりやすいけどわかりにくい表現だなー」

「そうかなー、アンタ(私のことね)だったら絶対にわかると思ったんだけど・・・」

・・・。いやまぁ、わかったけど。もうちょっとこうなんか



☆「ごめん、コップ割った」

と、白状する前に相手はすでに知っていた
…つーか割れたコップをお勝手に置きっ放しだったしなー
燃えない…今は燃やさない、か。ゴミ袋に入れるにはちょいと危険だ鋭利な断面


「まー、いつかは壊れるものだししょうがない」
一目見れば落っことしたんだな、てわかるし…と続ける


「いや、落としたんじゃないんだ」


でもコップは割れた。
たぶん落とすと床にぶつかる底から粉々になると思う。が、今回のそれは上半分をざっくり大きめの破片で、下半分は無傷であった


「?」
うーむ、"落とす"以外に割れた原因て出て来ないものなんだなー、
と壊した本人のくせに内心思った



「えーとね、踏んだ。素足で」



唖然とした視線で返されるのだった。「あー足は平気」
寝起きでボケラッタしてて、何故かコップは床に置いてあって、足元をよく見てな…というか目ぇ悪いし、右足でそれを蹴り飛ばして、意識を足元に移し(左足を前におろし…


グシャ


土踏まずで踏んづけた。ちょうど上半分を
割れる感触がいまだに残る。踏み下ろさず途中で足をずらしたから、ガラスごと床に立って起きる惨事→赤い水溜りを見ることなく済んだ
鉄分って落ちにくいんだっけなー


被害:コップのみ